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賞与にかかる社会保険料はいくらまで?標準賞与額の上限額と社会保険計算上の注意点

被保険者が賞与として支給を受けた総額に1,000円未満の端数を切り捨てた金額をもとに、その月の標準賞与額が決定されます。この「標準賞与額」には、健康保険と厚生年金保険にそれぞれ上限が定められているので、一定の上限を超える標準賞与額に対しては、健康保険料および厚生年金保険料はかかりません。

 

賞与の範囲

健康保険法、厚生年金保険法において、賞与とは、「賃金、給料、俸給、手当、賞与、その他いかなる名称であるかを問わず、労働者が労働の対償として受ける全てのもののうち、3ヶ月を超える期間ごとに受けるもの」と定義されています。年間を通じて3回以下の支給のものであれば賞与とされ、年間を通じて4回以上支給されるものは標準報酬月額の対象となります。

 

標準賞与額の上限

賞与の集計期間と上限額は、健康保険および厚生年金保険において、次のようにそれぞれ異なっています。

 

厚生年金保険での上限額

各月の標準賞与額について150万円まで

賞与が支給された月において、その月で150万円を超えるときは、標準賞与額は150万円とします。

同じ月に2回に分けて支払う場合は、2回の賞与の合計額で150万円を上限とします。

 

【例】15日に100万円、30日に100万円の賞与を支給した場合

その月における賞与額は合計200万円となり、上限の150万円を超えているので、標準賞与額は150万円になります。

 

健康保険の上限額

毎年4月1日から翌年3月31までの年度において累計573万円まで

4月1日から翌年3月31までの1年度の期間における標準賞与額の累計額が573万円を超えるときは、その超える部分については標準賞与額の対象から外れます。573万円を超えることとなったときは、累計額が573万円となるようにその月の標準賞与額を決定し、その月の翌月以降の標準賞与額は0円として保険者が決定することとなります。

 

【例】7月に300万円、12月に300万円、翌年3月に100万円の賞与を支給した場合

7月と12月の標準賞与額の合計は600万円となり、上限の573万円を超えているので12月の標準賞与額は273万となり、翌年3月の標準賞与額は0円となります。

 

 

標準賞与額上限の注意点

年度の途中で資格の取得・喪失をした者に支払う賞与

例えば、年度の途中で入社した労働者が、前の会社でも同じ保険者の健康保険に加入していた場合など、同一の年度内で複数の被保険者期間があるケースがあります。

転勤・転職等により年度途中で資格の取得や喪失があった場合の賞与の累計は、保険者単位(協会けんぽ、健康保険組合等)で行われるので、同じ会社でなくても同じ保険者の事業所である場合には、同一保険者である年度間の標準賞与額は累計することとなります。

なお、前職で企業が設立する健康保険組合に加入していたが、転職後の事業所では協会けんぽに加入するといったケースなど、保険者が異なる場合は、標準賞与額の累計は行われません。

 

退職者に支払う賞与

【退職月の末日以外に支給される賞与】

健康保険と厚生年金保険の被保険者資格喪失日(退職日の翌日)が属する月に支払われた賞与に対しては、健康保険と厚生年金保険のいずれも保険料はかかりませんが、健康保険の年度間累計額(上限573円)には含めなければならないので、賞与支払届の提出が必要です。

 

【退職後に支給される賞与】

そもそも被保険者ではないため、年度の累計にも含まれず賞与支払届も提出する必要はありません。

 

育児休業期間中の労働者に支払う賞与

育児休業期間中の被保険者について賞与を支払う場合、健康保険と厚生年金保険のいずれも保険料が免除されますが、健康保険の年度間累計額(上限573円)には含めなければなりません。したがって、保険料はかからなくても賞与支払届の提出が必要です。

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